土地や一戸建て探しの参考に古地図が役に立つ!?地名は過去の土地の履歴!

不動産

「地図」は、土地や住まいを探す際にとても重要なツールです。

なぜなら、駅からの距離や高速道路、幹線道路との連絡方法、近くの商業施設など、生活する上で必要な情報が詰まっているからです。

さらに、新しい地図だけでなく、古い地図にも注目することが大切です。

なぜなら、古い地図には住まい探しに役立つ意外なヒントが見つかるかもしれないからです。

最新の地図と古地図を比較

およそ200年前、伊能忠敬という測量士が江戸時代に作成した地図が日本で初めて公開されました。

この地図は、17年間をかけて作成されました。

それから近年になって、インターネットやスマートフォンの普及により、私たちは日常的に地図を利用するようになりました。

例えば、ルート案内やグルメガイドなどですね。

都市の街並みや地形は日々変化しているので、住宅地図の場合、都市部は年に一度、それ以外の地域も2〜5年に一度くらいの頻度で更新されています。

住まいを探す際には、最新の地図と「古地図」を見比べることをおすすめします。

このようにすることで、街の様子が大きく変化していることがわかるでしょう。

古地図から地形や地名の変化が分かることも多い

現代の地図と古地図を比較すると、新しい道や建物の追加、地形や地名の変化などが観察されます。

特に地形に関しては、江戸時代の古地図を見ると、東京湾の海岸線が大きく変わっていることがわかります。

以前は皇居のすぐ近くまで浅瀬が広がっていたが、徳川家康が江戸城に入城して以来、大規模な土木事業が実施されました。

例えば、現在の千代田区・駿河台にあった「神田山」という丘を削り崩し、その土砂を使って現在の品川区・日比谷の「日比谷入江」を埋め立てました。

現在の東京都江東区・中央区や千葉県浦安市などは、江戸時代以前は海の中でした。

埋立地の造成は日本各地で行われ、現代まで続いています。

国土のうち0.5%が埋め立て地とされています。

埋立地は内陸部に比べて地盤が脆弱な場合が多く、適切な地盤改良工事が行われていない住宅は、地震などの際に地盤沈下や液状化現象が起こる可能性があるため、注意が必要です。

地名からその土地の特徴を知ることが可能

地名には、その土地の特徴が反映されていることがあります。

たとえば、地名に「丘」「山」「台」という文字がある場合、その土地は高台や丘陵地である可能性が高く、反対に「池」「津」「沼」「沢」などの文字がある場合は、その土地には水辺が存在していた可能性が示されます。

さて、古い地図の地名にも注目してみましょう。

古くから変わらずに残っている地名の他にも、当て字で漢字が少しずつ変化した地名などが存在しますが、中には古い名前とは全く関係のない新しい地名に変わってしまった地域もあります。

地名が大きく変わる理由の一つは、戦後のニュータウン開発です。

不動産の価値を高めるために、古くて少し地味な印象のある地名を、華やかで親しみやすい地名に変える例が多いようです。

ただし、このような町名変更には、土地の特徴が分かりづらくなるという懸念もあります。

そのため、「軽々しく地名を変えるのは好ましくない」という声もあります。

過去の災害を示す地名もあったりする

日本は、何度も災害に見舞われてきたことから、災害の多い国として知られています。

その中でも特に頻繁に発生するのが水害です。

日本は、世界的に見ても降水量が非常に多く、世界平均の約2倍もの雨が降る地域として知られています。

特に問題なのは、この雨がほとんどが梅雨や台風の時期に集中していることです。

この時期には短期間で豪雨が降ることがよくあります。

そのため、急な土砂崩れや斜面崩壊などが起きやすいのです。

日本の地形は、地域ごとに高低差が大きいものの、内陸部から海までの距離が比較的短い特徴があります。

このため、大量の水が一気に急勾配の川を流れ下り、鉄砲水や洪水が発生しやすい状況なのです。

このような水害が頻発するため、日本各地には過去の災害を示す地名が多く残っています。

これは、かつてその地域で起きた大規模な水害の痕跡を残すためです。

地域の人々は、このような地名を通じて災害の記憶を伝え、今後の備えとして活かしているのです。

水に関連の深い土地は「さんずい」の付くことも

水と関連の深い地域では、水に関する特徴を示す漢字が地名に使われることがあります。

例えば、「欠き(かき)」や「崩(くえ)」という漢字は、地すべりや土砂崩れが起こりやすい場所を指すことがありますが、これらの漢字には別の漢字が付けられることもあります。

例えば、「柿」や「久江」といった漢字が使われることもあるのです。

また、「大貫」「抜」「鑓(やり)」「梅(うめ=埋め)」などが付く地名は、鉄砲水が発生しやすい場所を指すと言われています。

鉄砲水は、通常は水の流れが少ない川や乾いたような川でも、上流で大雨が降ると一気に大量の水が押し寄せる水害のことです。

さらに、「蛇」という漢字は、鉄砲水や土石流そのものを指すと言われています。

これは、水が勢いよく流れる様子が蛇のように見えることに由来しています。

すなわち、水に関連した地名や漢字には、特定の自然災害や水の特徴を示すものがあり、地名を通じて地域の特性が伝えられることがあるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。地名から様々な土地の履歴が読み取れるものです。

勿論、全ての水に関連する地名の場所が危険であるわけではありません。

また、水に関係しない場所が必ずしも水害のリスクから免れているわけではありません。

各市区町村では、洪水や高潮、津波などの異なる災害の種類ごとにリスクを地図上で色分けした「ハザードマップ」を提供していますので、それらを参照することをお勧めします。

ハザードマップを見ることで、あなたの住んでいる地域における水害のリスクをより具体的に知ることができます。